【特集】大正琴奏者・小田桐大登と語る

名作同のコンサート企画大正琴リサイタル、開催日までもう1か月を切っています。

現時点ですでに250人を超えるお客様が予約してくださっており、大正琴奏者小田桐大登先生の人気っぷりがうかがい知れますね。

本コンサートは、小田桐先生と名作同のジョイントコンサートとなっていますが、

小田桐さんって誰?」

大正琴って何?」

「そもそもどんなコンサートなの?

などなど、皆さんは多くの疑問を抱いていることでしょう。

 

ということで、突撃取材してきました

 

〈今日の登場人物〉

小田桐 大登
琴伝流大正琴師範

大正琴演奏家。愛知県知多市出身。8歳の頃より大正琴を始める。琴伝流大正琴師範号16歳で取得全国大正琴こどもコンクールソロ部門で2回最優秀賞を受賞。また、アンサンブル部門においても最優秀賞を受賞している。大正琴の未来を担う演奏家の一人として、大正琴協会より感謝状を授与。

琴伝流全国大会や中京大会、シニアコンサートなど数々のコンサートに出演し、華麗な技巧による演奏は好評を博している。これまでに大正琴を山崎琴司、佐治琴歌、今津まつ子の各氏に、作曲・和声法・対位法を榊山大亮氏に師事。

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冨田 悠暉
会長 兼 記者

おなじみ名大作曲同好会の会長。中2の頃から作曲を始め、現在は大学3年生の21歳。小田桐先生に突撃取材すべく、今日はわざわざ小田桐家まで押しかけてきた

☆8/10に金山駅で小田桐先生のステージがあります!→詳細

 

 

もともと二人は先輩後輩だった

 

~小田桐先生の実家にて~

というわけなんだけども、何から話していけばいいんだろう。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
まあ、そうね……
じゃあまず思ったのは、
「そもそもなんで名作同と小田桐が?」
ってとこから話しましょうか。
お客さんの中には疑問に思っている人もいると思う。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そりゃあもうね、僕たちがただただ先輩後輩だったっていう。(笑)

中高の先輩後輩で、冨田会長が一コ上、僕が一コ下で、まあやってきましたね。

そうですね。
でもまあ、そんな表面的な言葉では語りつくせない深~いつながりが僕らにはあるわけじゃないですか。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そりゃあもう。(笑)

高校生のときは一緒に徹夜でマージャンしたり、学校の部室でマージャンしたり……

ああ~やりましたなあ。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
あとは何やったかなあ。
それこそ、今回の開催地の太田川で一緒に転げまわったり。
ああ、受験勉強もしたなあ。
あの時は苦しみで転げまわってた。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そう受験勉強もしたし。
あとは、そうね……
何やったっけね?
そもそも同じ中学高校の部活でね、昔から知ってる人間同士お互いに音楽で食っていこうとしてるなんて、これは奇跡に近いよ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうねえ、それは珍しいことだよね。
しかもね、僕から言わせてみれば君は影響力の強い人間なワケだよ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そりゃどういう意味でよ。(笑)
僕の友人にはお前つながりの人が結構多いし、あとは音楽の師匠も同じだしね。
僕ら二人とも榊山大亮先生の門下でしょう。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうね。
それは最初、俺が色々縁があって榊山先生と知り合って、その後でお前も弟子入りしたんだったか。
そういえば今回のリサイタルでも、榊山先生の曲「雨のための詩」を初演する。
そうだね。
その辺も、僕らの話をする上では割と外せない気がする。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
高校生の時は、先生に習った作曲理論でいろいろと自作曲を発表なんかしてね。
やってたねえ、吹奏楽部で。
文化祭で発表なんかして、あのときは輝いてた。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
暴れてたねえ。
まあともかくそういうこともあって、特に高校生の頃は吹奏楽部に心血注いでたわけだけども。
ただ、今はしっかりと「大正琴」に落ち着いたね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうね。
まあ、「なんで大正琴か」っていうところでも話していきましょうか。

 

大正琴界の新星・小田桐

小田桐
小田桐
僕は8歳から大正琴やってるんですよ。
愛知県東海市や知多市あたりですごく大きな大正琴の会を開いていた、佐治琴歌(さじことか)先生という方がいてね。
かねがね名前を聞く「琴歌会」ですね。
佐治先生に教わって大正琴を始めた、と?
冨田
冨田
小田桐
小田桐
「琴歌会」にうちの祖母が入ってたのがきっかけ。
僕が8歳の頃、そこの会がちょうど20周年を迎えてて、20周年大会っていうのをやってたんですよ。
で、その時に僕が初めて「祖母と孫の共演」てな感じで舞台に立ったのね。
あ、そうなんだ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうそう。
御園座でやったんだけどね。
そりゃすげえ。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
で、そのときにやった曲が童謡の「たなばたさま」だったんだけど、僕それが簡単すぎて。
当時の映像見てみると、観客席をめっちゃ凝視しながら弾いてるんですよ。(笑)
それで、「僕にも他のおばあさんたちが弾いてる曲が弾けるんじゃないか?」と思ったのが一つ。
あともう一つ、これも外せない話なんだけど、山崎琴司(やまざききんじ)先生との出会いも大きかった。
山崎先生という、日本でトップクラスの演奏家がいて、その人の「じょんがら」を聞いたわけですよ。
君のキーワードになる曲名だね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そう、「じょんがら」は僕の十八番でして。
大体どこの演奏会に行っても一番最初にやる。(笑)
今回もやるもんね。(笑)
しかしあれは実際にいい曲だ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そう、それで山崎先生の「じょんがら」を聞いて、
「ああ、僕もあれをやりたいな」
と思ったわけですよ。
で、そこから大正琴を始めたわけなんですけど。

 

小学校6年生の時に、高校生までの子どもが対象の大正琴のコンクールがあったんだよね。
そこに僕が超新星のように現れて、実は最初のコンクールは僕は最優秀じゃないんですけどね。
優秀賞。

いやそりゃあね、最初で優秀賞でもすごいでしょ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
この時弾いたのが「丘を越えて」、すごく早いパッセージで小学生には難曲だった。

 

小田桐、手慣れた手つきで「丘を越えて」を弾く。

 

小田桐
小田桐
これぐらいのことをやったんですよ。
ああ、いいねえ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
なんでこれで俺は優勝できないんだとか思いながらね、優秀賞取ったわけなんだけども。(笑)
なんちゅう傲慢な小学生だ。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
だってメチャクチャ難しかったよ。(笑)
でもこのおかげで、ただただ技巧を見せつけとけばいいんじゃなくて、ちゃんと感情表現の豊かさとかも演奏の上では大事なんだな、と気づいた。
なるほどね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
で、技巧と感情表現の両方を併せ持つ「じょんがら」を、ついに中学校1年生の頃から練習し始めましたよ。
も~う気が狂うかと思った。
難しい?
冨田
冨田
小田桐
小田桐
難しい。
昔は本番で何回もトチってますからねえ。
あれは本当に難しくて。
でもついには弾けるようになっちゃった。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そう、それで念願の最優秀賞を取りました。
あ、「じょんがら」で取ったんだ。
なんかカッコイイね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
で、もう山崎先生とは仲良くさせてもらって。
佐治先生にも未だにお世話になってるし。
僕の大正琴の始まりはこんな感じですかね。
今となっては小田桐も有名になったね。
「琴伝流と言えば小田桐」みたいな感じさえする。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
愛知はもちろん、静岡、長野、東京といろんなところで弾いてきて。
で、実は受験を機に一回大正琴辞めちゃうんですよ。
えっそうなの?
冨田
冨田
小田桐
小田桐
年に1回の琴歌会コンサートでだけは弾いてたけどね。
高校受験を機に辞めて、で高校生になってからは部活一辺倒でしたね。
あの時のお前さんは熱心でしたね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
あの時はもう部活に全てをかけてたね。
大正琴なんかそっちのけで部活やって、受験して大学生になって、それで大学1年生の時ですね。
これも琴歌会のコンサートだったんだけど、久しぶりに演奏してみたら
「楽しいなあ、これは」
と。
そこで血が疼いてしまったわけだ。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
血が疼いてしまって。
もう大正琴やりたい、おばあさんたちの喜ぶ顔がすごく嬉しかったんですよ。
いやね、君は意外と人を喜ばせるの好きだからね。
アン〇ンマンみたいに。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
……いやそうでもないぜ?(笑)
そんなこと言って。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
で、その時大学1年生、榊山先生に習ってたから、「大正琴やりたい!」と相談してね。
じゃあどうしようかってことになって、ついにあのCDを出す運びになりまして。
先日発売したあれね。
冨田
冨田

TOCCATA VARIATION

TOCCATA VARIATION

あれはもうばっちり売れましたねえ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
真面目な話、イベント用以外はほぼ完売しちゃったよ。
あのCDにも榊山先生の曲や、ありがたいことに僕の曲も数曲収録されてるよね。
たくさんの人に聞いてもらえて非常に嬉しい。
冨田
冨田

大正琴と「作曲」

名作同側の話もしておきましょうか。
今回は名作同では3番目のコンサートになるわけですね。
ピアノ・オルゴールときて今回の大正琴。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうね。
もともと僕が、地元の愛知でリサイタルをやろうとしていて、ただ僕が東京にいて色々やりにくいので、仲介を頼んだのが始まりだった。
せっかくうちも作曲同好会なので、共催という形にして演奏曲の提供なんかもしてね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
お互い、文化的に価値があることをやらないとね。
大正琴の発展に対する貢献というのは、この企画は計り知れないものがあると思ってます。
「大正琴」と「作曲」が結びつく、というのは面白かったんじゃないかね?
冨田
冨田
小田桐
小田桐
新しいですよ。
ここ数年ですもん。
主に僕の周りで起こっている動きだけれども。
そもそも大正琴はそんなに有名な楽器ではないし、新曲の発表はまずないでしょう。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
まあでも、それはジェネレーションギャップですよ。
逆にだから我々世代にとっては新鮮で、おばあさんたちから見たら「ああ懐かしい楽器」ってなるけど、私らが見たら「ああーッ何だこれ」てなるでしょ。
それを大事にしていきたいね。
そうだね。
お前さんにCDに入ってる僕の新曲に関しても、意外と若い人からのウケが良かったと聞いた。
今回のコンサートでも、まったくの初演曲がいくつもあるわけだけど。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
うん、たくさんありますよ。
「斑紅葉(まだらもみじ)」、「Alfard(アルファード)」、そして「炭坑節変奏曲」と。
いや読み方違う。
「斑紅葉(むらもみじ)」と「Alfard(アルファルド)」だぞあれは。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
!?
読みづれえ……
まあタイトル大事だからね。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
「Alfard」ってあれ何語?
よく知らん。
榊原会員のタイトルの付け方は独特だからね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
舞台で初演するってものに関しては、私の作曲した「3つの小品」ってのもある。
あれ聞いた?
一度聞いたよ。
あの古めかしいやつ。
冨田
冨田

小田桐、「3つの小品」を弾き始める。

そう、それそれ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
陽気で古~い……
いかにも君が好きそうな曲だ。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ともかく、たくさんの作曲者が参加してくれましたね。
間違いなく面白いコンサートになるでしょう。
演奏大変だけど。

名作同としては、ジョイントコンサートというのもあってね、3回目のコンサートにして非常に大規模なコンサートができて、お客さんも……
冨田
冨田
小田桐
小田桐
いやもう、ガチで焦ったんだけどね、残席がほとんどないよ。
本当にない。
じゃあ、ちょっとここは強調しとかないといけないね。
記事のこの辺に予約フォームでも貼っとくよ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうしといて。(笑)

〈予約フォーム〉

200枚以上ものチケットが、よくもまあ順調に売れていったもんだね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
愛知はもともとやってきた土地だし、ありがたいことにアイドル的存在になってるんだよ。
まあ確かに、小田桐君は見ての通りイケメンでもあるし……
冨田
冨田
小田桐
小田桐
いやそれはね、話を盛ってるよ。
そんなこと言っても何も出ないから。
いやいや、出そうなんて思わないわい。(笑)
お前さんはいい男じゃないか。
何というか、このドイツ風の実に渋い顔立ち。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ドイツ風……?
そんな俺掘り深くないよ……。
いや掘りはまあ、偏差値で言ったら55くらいの掘りだが……
冨田
冨田
小田桐
小田桐
鼻は高いよね。
鼻は高い。
だめだ、話がどんどんそれていく。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
(笑)
まあ、ともかくそういうことでね。
名作同のメンバーも、コンサート楽しみにしてますよ。
楽しみにしてると同時に、「これからどうなるんだろう」みたいなワクワク感と緊張感もある。
とても大きな機会をありがとう、とも言いたい。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうね。
いやいやこちらこそね、素晴らしい曲を書いてくれてありがたいですよ本当に。
いやあ、そう言ってもらえると嬉しいよ。
冨田
冨田

コンサートの曲目について

じゃあ次は、曲目の話でもちょっとしてみましょうか。
このコンサートは初演曲も多い訳ですが。
まずは第一部から話していきましょう。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ハイ、コッ、コッカッヘ……(ちょっと待って)

小田桐、いつの間にか氷を食べ始めている。

こいつ……インタビュー受けてる自覚ないだろ。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
(バリボリ)……まあお堅いやつじゃないから。
別にいいがね、氷ぐらい食っても……。(苦笑)
これも記事に書くからな。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
「マイペースな小田桐さん、氷を食べ始める」。(笑)
話を戻しましょう。(笑)
まず、1曲目は「じょんがら」でしょう。
いつも通りですね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね。
いつも通りだがこれはもう、本当に映えるね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
本当にそうですね。
1曲目でばっちりと、ね。
心をつかんでください。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
捕まえます。
(バリボリ)
あれは、演奏実績が一番ある曲ですから。
僕としても、あの曲を弾いてると非常に安心感があるというか、「小田桐だなあ」って感じがして、アツくなりますね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ああそうですか。
あれは、師匠から受け継いだ曲なんで、僕としてもこれからも大事に弾き続けていきたい。
そして2曲目が……
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ええと、「雨のための詩」。
榊山先生の、先ほどのCDにも収録されている曲なわけだけど、あれは僕は好きだね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
あれは非常に甘い音がしますね。
とてもフランス的で、大正琴の音色がフランス的な響きに合うということが発見された瞬間でもある。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
純粋に曲としての聞きごたえはあると思いますね。
確かに大正琴というと、演歌とかも弾くわけだから、叙情的な響きは得意なのかなって言う。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうなんですよ。
それが分かって面白い曲ですね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね。
で、演歌ということで3曲目は「3つの小品」ということで。
これは私が作曲致しましたけど、まず第1楽章が「フォックストロット」、第2楽章が「叙情」、第3楽章が「ビバノン」となってますけど。
ビバノン。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そう、これは完全に大正から昭和にかけてのオマージュなんですよ。
「フォックストロット」っていうのも昭和初期に流行った踊りですし。
今じゃ知ってる人いないだろうね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
いないだろうねえ。
社交ダンスとかやってる人なら知ってるかもしれないけど。

 

で、2曲目の「叙情」ってのも、実は中間部分に昔の曲の引用をしてます。
3曲目の「ビバノン」は、これはね、昭和30年から50年くらいにかけてのコミックバンドのオマージュですね。

3曲とも実に小田桐らしい、なんて言うか、昭和に関する知識の深さがうかがえる曲だね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
小田桐らしい小田桐らしいって言ってますけど、「小田桐らしい」が分かるのは僕らだけですよ。(笑)
(笑)
これはやってしまったなあ。
うかつだったよ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ダメだよ。
これじゃただの雑談でしたねえ。
いや小田桐らしいは小田桐らしいんだよ。
どうしようもないだろ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
まあでも、昭和を知らない若い世代にとっては、やっぱりこれも逆にね、「あれッ、懐かしいけどなんだか新しいぞ」と思えるんじゃないかと。
そう、面白みのある齟齬がね。
何というか、平行世界を見ているような。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうそう。
実際に新しく作られた曲なんだけど、曲調は昔の曲であって、これを「昔の曲」って言うのは正しいのか否か、みたいな。
そういう面白さもあってね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね。
聞きごたえあると思います。

というわけで、ここまでが第1部。

次は第2部ですな。
第2部が私たち名作同のステージということで。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
1曲目は「斑(まだら)……
じゃなく「斑紅葉(むらもみじ)」でしたね。
むらもみじ、むらもみじ。
この曲は非常にきれいで、タイトル通り日本的な響きがしますな。
所謂五音音階。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね、五音音階で、優しい曲ですね。
素直に大正琴を捉えたらこんな感じ、という印象です。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そして2曲目は「Alfard(アルファルド)」。
「Alfard」も非常に「榊原会員らし」かった記憶があるんだが、これはもう禁句だね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ダメだよ。(笑)
「ヴェートーベンらしい」とかならいいんだけどさ。
誰が榊原を知ってんだよって話よ。
いやでも、名作同の「ピアノコンサート」と「オルゴールコンサート」両方に来てくれてる人なら分かってくれるはず……
ここは読者に期待したいね。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
お前絶対そんなこと記事に書くなよ。(笑)
この曲は結構小洒落てるよね。
静かな曲ではあるんだけど。
森さんの「斑紅葉」と同じく穏やかできれいな曲ではあるんだけど、雰囲気はちょっと違うね。
こちらの方が艶っぽいと言うか。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね。
で、3曲目は冨田会長作曲の「炭坑節変奏曲」と。
相変わらずあんたの曲は弾きづらいね。(笑)
どうせ名作同の他の2人(榊原会員&森会員)は簡単な曲を書くと思ったんで、僕の方で重量を取ってやったんですよ。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうね。
まあいくつか難所がある以外はそんなに難しくもないですよ。
ところでこの曲は、第2部の中では一番表情が豊かだと思いますね。
そうですか。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
これに関しては、「幻想的交響曲」という曲名どおり幻想的ですよ。
割とこう、いろいろな「大正琴とピアノのセッションの顔」っていうのが見えますね。
ちゃんとこれはコンセプトがありますからね。
「炭坑節」ってのはもともと労働歌であって、結構明るい曲調ではあるんだけど、なんて言うかこう、「労働の苦しさから生まれた明るい曲」なわけでしょう。
そう考えると、現代の社会で生きている我々も同じような感じじゃないかって気がするんですよ。
ブラック企業なりブラックバイトなり……
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ああ、最近の流行りですね。
そう考えると、時代は違うけれども同じように生まれてくる曲ってあるんじゃないかな、と思ったんですよね。
そのために、わざわざ昔の曲である「炭坑節」を今アレンジしてみた、というコンセプトです。
だから、「炭坑節」の変奏曲ではあるけども、最初の方は「ああ、炭坑節だな」って感じなんだけど後の方になるともういろんな表情が錯綜してきて「これどこに炭坑節があるんだ?」みたいな感じになってしまいます。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね。
まあでも、一応しっかりと「炭坑節」だと分かるような変奏になってると思いますよ。
ところで、ここだけの話だけど、「幻想的交響曲」の「幻想的」って本当は「fantasic(ファンタジック)」と書くべきところ、あんた思いっきり間違えて「fantastic(ファンタスティック)」と書いてましたよ。
マジ?
予測変換ミスったのかな。
「Fantastic Variation(素晴らしい変奏曲)」って自画自賛じゃねえか……。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
じゃあこんな感じで、第3部行きますか。
一曲目が「かごかき」と。
まあこれは、貴志康一という日本人の作曲家の曲なんですけど、もとは非常に素晴らしい歌曲でね。
この曲は、僕も知ってるけど非常に好きだね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
いいですよね。
こう……軽やかですね。朗らか。
僕も弾いてて楽しいですねこれは。
いや楽しそうだよ、これはね。
楽しかろうなあ。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
で、2曲目が「東京節」と。
これはね。(笑)
私が歌わなければならないやつですね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
まあなんか、いろいろ面白いことやろうと考えて、「じゃあ冨田会長に歌ってもらえ」ってそういう、ちょっとふざけたノリですな。
いや、ウソ。
結構真面目に考えた。(笑)
まあ僕が「別に歌ってもいいよ」と言っちゃったからなあ。
あんな楽しい歌だとは思わなかったが。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
まあまあまあ。(笑)
で、3曲目がですね、「宵待草」。
これはまさに大正ロマンですな。
大正琴と聞いて納得できる曲ですね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね。
この曲自体大正時代に書かれた曲ですので。
何とか頑張って編曲しましたよ。
そうかそうか、あのCDに入ってる曲か。
あの編曲はとてもいいと思うね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ああ、そういっていただけると嬉しいです。
あの編曲の冒頭部分、僕自分の曲でちょっと真似たからね。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
あ、そう。(笑)
気に入ってしまって。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
で、最後の4曲目が「野崎小唄」。
これは僕の編曲で、CDにも入ってますね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうです。
この曲は東海林太郎が歌った曲なんですけど、野崎参りという、大阪の野崎観音にお参りするっていうのをもとにした歌で、これに付随した「上方落語」ってのがあって、その中で決まった出囃子をやるんですけど、その時の出囃子の一節が間奏に使われてるんですね。
へえ~。
冨田
冨田

小田桐、「野崎小唄」間奏を弾き始める。

あ、そこなんだ。
とても洒落た仕掛けだね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうですね。
最後の曲は楽しくね、軽く和のテイストを楽しんでもらいつつ、締めようかな、と。
非常に大正琴らしくバシッと締まるでしょう。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
ですね。
まあこんな感じですね、演奏会の曲目に関しては。
結構もりだくさんですね。
冨田
冨田
小田桐
小田桐
そうね、きついよ結構。
それは演奏者側からの意見か。(笑)
冨田
冨田
小田桐
小田桐
まあでも、しっかりやりますよ。

小田桐家の食卓

ここで小田桐家、夕飯タイム。
冨田会長、ちゃっかり食卓に混ざる。

メインの「豚トロ炒め」

いや、ビールが美味い!
冨田
冨田

小田桐
小田桐
は?(未成年)

冨田会長が酔ったので、解散

小田桐一家の皆さん、ありがとうございました。

 


コンサートの詳細&ご予約→「大正琴リサイタル」開催のお知らせ

小田桐先生公式HP→http://odagiridaito-taishogoto.com/

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2件のフィードバック

  1. 浜島園子 より:

    今晩は今初めて富田先生との会話を読み始めて、30分夢中で御園座の懐かしい 
    思い出にしたつていました。有難う頑張ってください。

    • toydora より:

      コメントありがとうございます!
      応援していただけて光栄です。
      御園座の思い出は小田桐氏もよく話していて、たいそう貴重な経験だったのだなあと思います。
      彼も今非常に頑張っていますので、我々の方も負けじと頑張る所存です。

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